世の人は物事がうまくいくことを願っている。
では、物事が全てうまくいったとしたら?
自分の思い通りに全てうまくいく世界。自分の欲しいものがすべて手に入る世界を想像してみよう。
果たして、その世界で生きるあなたは本当に幸せに生きているだろうか。
二人のげんきという人物を通して考えていこう!
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僕の名前はげんき。みんながうらやむ大企業にいるサラリーマンだ。。
小学生の時から今まで、ありとあらゆることがうまくいって周りからは羨ましがられていることだろう。ピンチになったことは一度もない。
高校受験は少し勉強して、進学校に進学して、大学受験も推薦で、難関私立大学に入り、就職活動も知り合いの伝手で大手企業に入社することが出来た。
周りの人は、苦労や遠回りをしたことがない僕のことをストレートマンという…(ひどいネーミングセンスだけれど)
僕自身もストレートに生きてきたことについては、あながち間違ってはいないとは思う。
小学生の頃から、要領はいい方で、特に努力をしなくても、トップの成績を取ることが出来たし…運動神経も良くて全てにおいて、大体トップ層にいた。
でも、、あいつに会ってからは苦労をしないこと、ストレートに生きることに対して、少し疑問を持つようになった。
相変わらず周りからは、「おまえはいいなぁ」と言われることもあったけれど。
僕の中ではコペルニクス的転回が起きたんだ。
?「おま…え」
?「おい!そこのおまえ」
げんき「ん、なんかおっさんの声がするぞ?」
?「おい、ストレートくそやろー。私だ。」
げんき「いや、だれやねん」
そこには、自分とうり二つの顔をした少し汚い服をきたおっさん(同い年くらいか)が、自分の方を向いていた。
?「わたしだよ。お前だよ!」
げんき「(やばい、頭のおかしいやつに絡まれている…どうしよう)」
?「理解できないのも無理はない。私はこのストレートマンげんきとは違う世界のげんきだからだ。いうなれば、ストレートげんきに対して、紆余曲折げんきだ」
ストレートげんき(以下、㋜げんき)「はぁ。わかりました。それでは、またどこかで!」
紆余曲折げんき(以下、㋒げんき)「おい!ちょっと待てよ!お前に頼まれて俺はこの世界に来たんだよ!」
㋜げんき「!?どういうことだよ。」
㋒げんき「説明がめんどくさいので、簡単に言うぞ。この世界のお前が死ぬときに、神様と交渉して、この世界のお前と紆余曲折げんきの世界の俺を出会わせたんだよ。」
㋜げんき「(意味が分からない)が、ここでごちゃごちゃ言っても話が進まないので、そこらへんは納得してやろう。でも、なんでお前みたいな汚い…すまん。あまり綺麗でない、成功しているとは思えない世界の俺が、この成功している世界の俺に会いに来るんだ?もしや、成功する仕方を教わりに来たのか?」
㋒げんき「そういうところだぞ。お前は色々勘違いしているな。神様、出番ですよ~」
かみさま?「どーん。うぉ、ほっほっほ。神です。」
㋜げんき「展開が突然すぎて、頭の整理が追い付かない…。神様が私に何の用ですか。」
神様「この世界のストレートげんき、あと30年後のお前が後生の頼みとして、神である私にお願いをしたんじゃよ。❛僕の人生は何点でしたか❜と問うてきた後にな。それで、この世界に紆余曲折げんきを派遣したんじゃよ。」
㋒げんき「そういうことだ。ちなみに俺はお前とは違って、まあ紆余曲折した人生を生きてきたよ。高校受験は、当時付き合っていた子に振られて、全く予想していないヤンキー高に行き、大学受験では、浪人し、就職活動は20社に落ちて、最後に滑り込みで入社している。付け加えると、そこを一年で辞めて、今は違う仕事に就いているぞ。さらに言えば、その仕事もやめている。」
㋜げんき「こいつ、失敗を手柄のように語っていて、やはり頭がおかしいのか?今の世界の俺と全く逆の人生じゃないか。」
神様「と、思うだろう?お前のモノサシではそう感じてしまうのも無理はない。お前はこれまでに失敗したことがあったか?うまくいかなかったことがあったか?幸せ、ワクワクを感じたことはあったか?」
㋜げんき「失敗したことはあまりない。うまくいかなかったこともないな。全てうまくいくのが当たり前だと思っているから、幸せに決まっているだろ!!!」
神様「本当か?お前は確かにすべてうまくいっている。本当に欲しいものがどうしても手に入らなくて努力し続けて、やっと手に入れた経験はあるか?何度も失敗して、自分や仲間と試行錯誤して成功した経験はあるか?」
㋜げんき「確かに、そんな経験はない、、、。」
神様「砂漠にいる自分を想像してみい。ピンチや失敗はいうなれば砂漠なんじゃ。そして、チャンスや成功は水じゃ。お前はずっと涼しくてのども乾かないような場所で水を手に入れている状態といえるかもしれんな。有難みも喜びも感じられない。そんな人生を歩んでいるといえるんじゃないかね。」
㋜げんき「有難みも喜びも感じられない、、、、。確かに、母であるA美からはもっと失敗、遠回りをしなさいと何度も何度も言われてきたな、、、、。」
神様「そこなんじゃよ。紆余曲折げんきと違うことはそれなんじゃ。では、ずっと話を聴いていた紆余曲折げんきに問う。お前は幸せとワクワクを感じることはあるか?」
㋒げんき「はい!毎日幸せとワクワクを感じています。うまくいかないことばかりの人生ですが、自分で仕事を持って、試行錯誤をする毎日です。その過程たまにうまくいくことがあって、その時は格別の幸せとワクワクを感じます。」
神様「そういうことなんじゃよ。ストレートげんきよ。人生は振り子とはいったもんでな。幸せが成立するためには不幸が必要なんじゃ。逆もまた然り。この世はすべて両面で1セットなんじゃよ。さらに言えば、人間は努力をしている、少しでも良くなっている状態で幸せを感じるようになっているんじゃ。」
㋜げんき「幸せが成立するためには不幸が必要…。うまくいきすぎているがゆえに、自分は本当の幸せやワクワクを感じられていないのか…。」
㋒げんき「そういうことなのかもしれないな。俺はうまくいかないがゆえに色々と悩んだよ。それで色々な本を読んだり、色々な人に会ってきたよ。それで紆余曲折も悪くないって思えたんだ。その中である人に言われたんだ。その人はストレートな人生と紆余曲折な人生を一本の紐に例えてくれてね。」
㋜「なんて言われたんだ。」
㋒げんき「最終的に人が行きつくゴールは死という同じものなんだよ。それを踏まえて、ストレートな人の人生は、特に寄り道もないから、まっすぐな最短距離だよね。だから、文字通り、まっすぐな短い紐なんだ。それに対して、紆余曲折した人は、寄り道ばっかりして、色々ところにも行くから、ジグザグした紐だよね。それでどっちの紐が長いって言われたんだ。」
㋜げんき「それは、紆余曲折、遠回りした方が長いよな。」
㋒げんき「そう。紆余曲折した方が色々な経験、つまり喜怒哀楽も多いって。全てがうまくいくってわかってたら、うまくいったときの感情は味わえないよね。うまくいくかわからないけど、やってみるあのワクワクやドキドキ。うまくいったときのあの気持ちは味わえないよね。あまりうまくいってないお前はある意味で恵まれているんだって言われたんだ。言われてすぐはあまり受け入れられなかったけどね。」
㋜げんき「うまくいってないやつが恵まれているか…。そんなこと考えたこともなかったな。でも、確かに、うまくいくことに慣れていた俺は、うまくいくことが当たり前すぎて、その喜びを純粋に感じられていなかったかもしれないな。」
㋒げんき「そうなんだよ。全てがうまくいく世界なら全てがうまくいくと思うかもしれないけど、実は違うんだ。うまくいかないことがあるからうまくいくんだ。このことを僕は、紆余曲折した人生から学ばせてもらったんだ。そのことを伝えに、僕は君に会いに来たんだ。すべてがうまくいっている君だからこそ、うまくいかないことを学ぶべきなんだよ。」
㋜げんき「全てがうまくいく世界なら全てがうまくいかないってことになるのか。」
㋒げんき「そうかもしれないね。うまくいくか、うまくいかないか、予想が出来ないこの世界だからこそ、一瞬一瞬の生が輝くんじゃないかな。」
神様「そういうことじゃよ。もっと言えば、この世にうまくいくもうまくいかないもないんじゃよ。全ては振り子、コインの裏表と一緒じゃ。コインの表と裏にいいことも悪いこともないじゃろ。一つの出来事・事実を君たちが価値づけているだけなんじゃ。このことはもっともっと世の人に言う必要があるな。」
㋜げんき「死ぬ間際に僕が頼んだくらいだから、僕は今の観念で生きていたら幸せにはなれないんだな…。紆余曲折げんき、汚いとか言って悪かったな。最後に聴かせてくれよ。お前はそっちの世界でワクワク、幸せに生きているのか?」
㋒ゲンキ「もちろんだよ。うまくいかないことの方が多いけれど、毎日ワクワク、幸せを感じているよ。さっきの話には続きがあって、仕事を辞めたって言ったでしょ。それからは色々と苦労したけど、あるご縁のおかげで今は会社の社長をやらせていただいているんだ。兄と三人で始めてね。君は覚えているか分からないけど、小さいころに三人で会社をしようと約束してたからね。」
(この約束は兄弟の中では桃園の誓いと言われている。その話はまたの機会で。)
㋜げんき「いや、覚えているよ。頭の片隅にずっと残っていたよ。あの桃園の誓いをお前は果たしたのか、、、。それを聴けただけで、お前の人生がどんなものかよくわかったよ。今日はありがとうな。」
㋒げんき「こちらこそだよ。じゃあね。」
㋜げんき「兄貴によろしくな。」
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㋜げんき「はっ!なんだ、寝ていたのか……。今日は予定もないし、本でも読むか。」
そして、僕は押し入れの奥に眠っていた❛飲食店の始め方❜を手に取った。
世界の見方③「うまくいかないからこそうまくいく。」
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