「おまえも親になったら分かるよ・・・」
小学3年生の時に星野道夫の映画を母と観に行った。
そこから、星野道夫に憧れ、彼の書籍をいくつか手に取ってみた。
僕が小学生だか中学生の時に、彼の最後のメッセージである『長い旅の途上』を読んだ。
その中にこんな一節がある。
あなたの子供は、あなたの子供ではない。彼等は、人生そのものの息子であり、娘である。彼等はあなたを通じてくるが、あなたからくるのではない。彼等はあなたとともにいるが、あなたに屈しない。あなたは彼等に愛情を与えてもいいが、あなたの考えを与えてはいけない。何故なら、彼らの心は、あなたが訪ねてみることもできない、夢の中で訪ねてみることもできないあしたの家にすんでいるからだ・・・。
(はじめての木)
当時の僕は、この本を読んだ後、彼の言葉がわかったようなわからないような、なんともいえない気持ちであった。
今、26歳でたまたま、このフレーズを目にした。
すると、なぜだか涙が出てきた。
それは、僕が丁度、0歳の娘と生活しているからだろう。
彼女(娘)が、何気なく外にいる鳥を見つめている。
彼女が、ふと、あくびをしている。
彼女が、目の前にあるものに手を伸ばす。
そんな姿を目にすると、この子はこれから僕の知らない世界を自分の足で、手で感じ取っていくんだろうという気持ちになる。
娘との日々で、ふと、昔の僕の父の姿が蘇る。
逆上がりがいつまでも出来ない僕に何日も付き合ってくれた。
自転車に乗れない僕の背中を押し、坂から転げ落ちる僕を眺めていた。
全く会話をしないまま、日々の送り迎えをしてくれた。
浪人時代、一度、きいてみたことがある。
「なぜ、僕のためにそこまでしてくれるの?」
すると、父は一言こう言った。
「おまえも親になればわかるよ・・・。」
父になった今、僕も娘から同じことを聞かれたら、
父と同じことを言うだろうなぁ。
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長い前置きになってしまいました。
読書をしていると、同じ本を読んでいるのに、
「前読んだ時と感じ方がちがう!!!」という現象が起きます。
自分が成長したのか、心境に変化があったのか、、、、
日々、自分自身の世界の捉え方が変わっていることに気づけます。
僕自身の考えとしては、本を読むということは、
「自分自身の環世界を確認する」
ことではないでしょうか。
僕自身、星野道夫の本の一節を、改めて読んだことで、
自分って今、こんなことを考えているんだ!
と確認させてもらいました。
取り留めのない話で何が言いたいかと言うと、
父と母よありがとう!
そして、本っていいなぁ!
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