6通目は人生の目的についてだ。
いきなり、抽象的で大きなテーマでクエスチョンマークがきみの頭の上に何個も出てきているのがわかるよ。
「君の生きる目的はなんだろう?」
「きみにとって幸せとはなんだろう?」
こんなことをきかれたら、なんて答えるだろう。
この答えは、百人の人がいれば百通りあるかもしれないね。
「人生の目的は?」だとか「幸せとは何か?」みたいな問いは
正解が決まらない問いといって、「哲学」とか言われているんだ。
君がこの問いに興味を持ってくれているとしたら、お母さんより僕に似ているといえるね。
僕は少年時代に「人間とは?幸せとは?死とは?」なんてことをずっと考えていたよ。
その経験から、きみに伝えたいことがひとつだけある。
思考すること、
考えることはとてもとても大切なことなんだけど、
もっと大切なことがこの世にはあると、僕は思うんだ。
それは、
「見聞きすること、話すこと、感じること」
つまり
「行動すること」だよ。
「人間とは何か?」をずっと考えている暇があるなら、外に出て実際に色々な人間と触れ合ってみる。
「幸せとは何か?」を考えて、家に閉じこもっているのなら、自分が楽しそう。
なんかいい、なんかやってみたいと思ったものをかたっぱしからやってみる。
「生きる」とは、そういうものなんじゃないかと思うんだ。
「人生の目的、幸せ」は家の中に閉じこもって考えていても何もわからない。
人と出会って、
話してみたり、
行動をすることで
自然とわかってくるものなんじゃないかな。
(もしかしたら一生をかけてもわからないかもしれない)
僕は、
よく「なんで自分はいまこんなところにいてこんなことができているんだ」と
ふと思うことがある。
君が生まれてくるということもそう。
僕がきみの母さんと出会ったこともそう。
もっと遡ると、
これまで出会った友人、僕の父と母。
地球上には、見たこともない人、話したこともない人、すれ違うだけの人。
何億人と言う人がいるのに、なぜ僕たちは出会ったのか。
不思議に満ちている、と思わないかい?
生きるということには、
自分で考えている人生の目的、幸せよりも
大きくて尊いものが隠されている気がしないかい?
いくら頭で考えていても、きっとみつからない。
(もしかしたら、賢い君ならわかるのかもしれないけど。)
人生の目的・幸せを探しに
「行動をしよう!」
「人に会いに行こう!」
「じゃあ秘密を教えるよ。
とてもかんたんなことだ。
ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは目に見えない」
本を読むことも忘れずに。
『星の王子様』サン=テグジュペリ
『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ
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