きみへの手紙も残すところ、あと2通。
これを書き始めた時は、きみが生まれるまあと250日くらいだったかな?
今は100日をきったよ。君が生まれてくるのを、母さんも僕もとても楽しみにしているよ。
14通目は僕の母と父のことを伝えたいと思っている。
僕の母と父、つまりはきみの祖父と祖母のことだ。
最初に伝えておきたいんだけれど、きみのおじいちゃんとおばあちゃんは本当にすごい人なんだよ。
偉人として教科書に載せてもいいレベルなんだ。
あの時代に3人の子どもを育て上げるのは中々できることじゃないよ。
(しかも、3人とも特性が強い子どもだった笑)
それだけでも偉人として教科書に載せて欲しいね。
おじいちゃんとおばあちゃんに限らず、懸命に生きている人は本当にすごい。
さて、当たり前のことかもしれないけど、おじいちゃんとおばあちゃんがいなければ、
きみはきみとしてこの世界に生まれてきていないんだ。
おじいちゃんとおばあちゃんはお見合いで出会ったんだ。
そんな二人から生まれてきたのが僕であり、きみのおじさんたちだ。
僕もきみのおじさんたちは、いわゆる普通といわれる大多数の子とは、少し違う性格や育ちをしてきているといえるんだ。
例えば、僕は集団生活が苦手だった。
幼稚園の時の写真には、始業式みんなが椅子に座って並んでいるのに、
自分だけ教室の隅でブロックしている写真が残されている。
一番上の兄は、1000グラムほどで、この世に生まれてきた。
(子どもが生まれる側になり、それがどれだけ壮絶なことか身に染みている。)
中学生の時は、修学旅行に行きたくないと言って、一緒に行こうと担任が家にまで押しかけてきたり・・・・。
それはそれは色々なことがあったね。
その下の兄は、生まれながらの活動家・リーダーだったんだけど、
ある出来事を境に人前に出るのをやめてしまったんだ。
あらゆる才能にあふれている人だ。
きみも会えばわかるよ。
そんな三人を立派に育て上げてくれたのが、きみのおじいちゃんとおばあちゃんなんだよ。
君の母さんのお母さんとお父さんもそれはそれはすごい人だよ。
君の母さんの兄は、とりあえず、かっこいい。
色々なことにチャレンジするバイタリティーにあふれているひとだ。
君の母さんについては言わずともわかるよね。
今回の手紙で言いたいことはね。
きみは奇跡の結果生まれてくる子であり、
とてもすごい人たちがなぜか偶然に出会って、
数えきれない数のリレーでつないだバトンを持って、
この世に生まれてきているんだ。
僕ときみの母さんが出会わなければきみは生まれていないし、
僕の母と父が出会っていなければ僕が生まれていない。
君の母さんの母と父が出会っていなければ君の母は生まれていない。
改めて考えると、これって相当すごいことじゃないかな?
あの時のあの選択はこのためにあったんだって思えないかな?
全てのこと、
すべての人に、
自分と出会ってくれて、
ここまでリレーを繋いでくれてありがとうと言いたいね。
きみが生まれたら、みんなにあいさつに行こう!
『地下鉄に乗って』浅田次郎
『夢をかなえるゾウ』水野敬也
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