【一通目】人間の仕組みって?

君への手紙

まず、君に伝えたいことは人間の仕組みについてのこと。

これから君は、何かに夢中になったり、何かにつまずいたり、誰かを好きになったりと数えきれないくらいの様々な経験をするだろうね。

うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるだろう。

笑うこともあれば、泣くこともある。そのすべてが君の人生だ。

そんな君の人生なんだが、一つだけ心に留めておいて欲しいことがある。

何かと言うと人間っていうのは、常に自分がいる場所に留まりたがる性質を持っているということだ。

理科の勉強で習ったかな?○○○○○〇〇=○○○と言うんだけど、わかるかな?

ホメオスタシス=恒常性だね、聴いたことはあるかな?

理科では、恐らく体温を維持するという話をしてもらったはずだよ。変温動物と恒温動物がいて、人間は一定の体温を持つ恒温動物なんだ。

実は、体温だけでなく人間の全てにおいて、このホメオスタシスが働いているんだ。

どういうことか、少し身近なことで考えてみよう。

国語の授業で作文の発表をしたことはあるかな?なければ、何かを人前で発表する時を想像してみて。

君はどんな気持ちになっているかな?ドキドキして、もしかしたらダラダラと汗をかいているかもしれない。緊張のあまり、早口になったりしているかもしれないね。

その状態こそがホメオスタシスが働いている状態なんだ。

人前に立っている自分はいつもの自分じゃない、危険だ!いますぐあるべき場所に戻れ!と脳が身体に反応を起こしているんだ。

他の例をあげてみるね。これは実際に僕が経験したことなんだけど、、、、

僕はサッカーをずっとしていてね。地元ではそれなりにうまい方だったんだ。

でも、県の選抜だったり、大事な試合に出るといっつもミスばかりだったんだ。

なんで、いつも自分はこうなんだ・・・とずっと悩んでいたんだけど、実はこれもホメオスタシスが働いているってことに気づいたんだ。

県の選抜ではなく、地元でそれなりにうまくいっているのが自分というセルフイメージが染みついていたんだね。すると、どうなるかというと、日常生活の全てがそのセルフイメージに左右されるんだ。

勉強もそれなり、恋愛もそれなり、自分の枠の中でしか行動ができなくなってしまうんだ。

ここで、僕が何が言いたいかと言うとね、ホメオスタシスが悪いことと言いたいわけじゃないんだ。

そういう仕組みが、僕にも君にも全ての人間に自然と働いてしまうということを知って生きていってほしんだ。

じゃあ、だからといって、脳の反応に従って毎回あるべき場所に戻っているようではどうなってしまうか、君ならわかるはずだ。

僕は、このホメオスタシスという人間の仕組みを知ってからは、ずっとあることを心がけているんだ。

それは「試してみる」ということ。

やったことのないことを「試す」

これまでとは違うやり方で「試す」

通ったことない道を「試す」

ありとあらゆることを「試す」機会を創ってみること。

「試す」ことをし続けていたら、ホメオスタシスが働きづらくなることに気づいたんだ。

すると、何が起きたかと言うと、自分が漠然とやりたいと思っていたことが実際にやることになっていたなんてことがたくさん起きたんだ。

はじめは、何をすればいいのか見当もつかないことも、「試す」、「試す」、「試す」を続けていくと、ある時うまい具合にピースがハマっていくなんてことが人生には多くあるんだ。

「試す」ことは、ピースを集めることに似ているかもしれないね。

なかなか、うまくハマるピースを狙い撃ちで手に入れるのは難しいかもしれないど、ピースをたくさん持っているとハマる確率も増えていくんだ。

だから、ホメオスタシスに抗って、新しいこと、やったことのないことを「試す」、そんな生き方をしていってほしいと思うんだ。

「試す」ことをしようと決断した、はじめの頃は、ホメオスタシスが働いて、ありとあらゆることがめんどくさくなるかもしれないね。

何もしない、試さない、行動しないほうが自分らしいと、脳が身体に働きかけるかもしれない。

でも、「試す」ことを継続していると、ある時から、「試す」方が自分らしいと、そっちの方にホメオスタシスが働くときがくるはずなんだ。

そうしたら、君はもう何も迷うことはない。あらゆることを「試して」人生を楽しめばいいんだ。

今日伝えた、人間の仕組み(ホメオスタシス=恒常性)を知っているだけでも、これからの人生で君に訪れる出来事の捉え方が大きく変わるかもしれないね。

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