4通目は、「きみやぼくは何でできているのか?」についての話をするね。
「きみは何でできている?」と聞かれたら、なんて答えるだろう?
そんなこと考えたこともないかもしれないね。
理科で習った知識を総動員すると、人の体は水分が60%くらい、タンパク質が10~20%くらい、あとは脂質で出来ているといえるかもしれない。
もっと細かく言えば、酸素・炭素・水素・窒素で出来ていると答えられるかもしれないね。
じゃあ、きみのその酸素や炭素はどうやってきみという存在をつくっているんだろう?
昨日の夕飯の豚さんかな?3週間前に食べたサバかな?2か月前に食べたサラダかな?
改めてこんなふうに当たり前だと思っていたことを考えてみると、それはそれは不思議なことだと思うよね。
君の目の前にあるその手のひらは何からできているんだろう?
君をつくるあらゆるものはどうやってできているんだろう?
結論から言うと、
きみが食べてきたもの全てが今のきみを作っている。
言い換えれば、きみはこれまで食べてきたもの全てで出来ているといえるんだ。
この話を聞いたときに、僕はちょっと待てよ、、、
とあることを思ったんだけど、
きみはそれがわかるかな?
確かに、ぼくの身体はこれまで食べたもの全てだけど、
僕という存在は目に見える身体だけで出来てないよなって思ったんだ。
じゃあ、僕の心とか精神とか言われる、目に見えない部分っていったい何で出来ているんだろうって。
さっきの食べたもの理論で考えてみたら、すぐに答えが出たんだよ。
なんだと思う?
きみやぼくとは、きみやぼくがこれまで出会った全てなんだよ。
それは、これまで出会った人、出会った本、出会った経験、出会ったモノ。
ありとあらゆるものだ。
きみが生まれてきたら、きみはぼくをつくっている一部になるし、
ぼくはきみをつくる一部になるんだ。
まだ生まれていないきみは、これから出会う全てのものでつくられていくんだ。
こうやって考えると、きみと言う存在は無限の可能性を持っていると思えないかな?
これから君が出会うものできみはなんにでもなれるんだよ!
きみはきみを自分で選択して創り上げていくものだと思えないかい?
君がこれから出会う人、出会う経験によって君はどうとでも変われるんだ。
食べるものによって君の身体が変わっていくのと同じようにね。
そんなことを思って、僕と母さんは君に対して、僕たちが出来ることは
なんだってしてあげようと思っている!
(すべてがすべてきみにとって良いことじゃないかもしれない。時には疎ましく思うはずだ笑)
きみはその中から、自分に必要だと思うことを
ひとつひとつ君らしく選択していけばいいと思うんだ。
きみの選択ひとつひとつが、きみという人をつくっていく。
最後にもう一回言わせてほしい。
きみこれから出会うものでなんにでもなれるんだ!
今書いている、この手紙たちも君をつくる一部になってくれることを願っているよ。
「人は触れるものによって変わる。
どんな人と出会い、どんな本を読み、
どのような感動を受けたのか。
その体験こそが、その後の人生を左右する。
人は出会ったモノで出来ている。」
もっと詳しく考えてみたいと思ったのなら、この本を読もう。
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎
『おあとがよろしいようで』喜多川泰
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